プリザーブドフラワーのアレンジって何をやるの?花器に花の種類や色合いだけ考えて集めたらそれで終わりなの?という質問を時々受ける事がありますが、いいえ残念ながらプリザーブドフラワーのアレンジというのはそれほど簡単ではありません。いけ花に「余計な葉を落とし、茎を切り添えて」といったお花の加工が行程としてあるように、プリザーブドフラワーのアレンジにもプリザーブド加工されたお花を加工し手を加えるといった作業があります。今回はその数ある加工方法の中でも比較的に難しい「開花」について紹介します。
プリザーブドフラワーを開花でより美しく
プリザーブド加工を施された花というのは通常殆どが花の開ききっていない状態で加工が施されます。これは特殊な薬品を花自身にすいあげてもらわなくてはいけない為であり、開ききったお花だと吸い上げる薬品料が少なく加工が上手くいかないからだと言われています。さて、通常プリザーブド加工を施した花材というのはこの花が開ききっていない状態で販売されています。そしてこの開ききっていない状態のプリザーブドフラワーをそのままアレンジに利用している所も珍しくはありません。しかしこの開ききっていない花を完全に開いた状態にアレンジする事を「開花」と業界の中では読んでいます。開花ではまず開ききっていない花の花弁を一枚ずつピンセットで剥がしていく所からスタートします。生花のように手で広げようとすれば恐らくプリザーブド加工を施した花は非常にデリケートである為、欠けたり割れたりひび割れが生じてしまったりする事でしょう。そして剥がした花弁を今度は一枚一枚、開花した状態を想定してのり付けしていきます。つまり一度バラバラにしてそれを丁寧にパズルのように組み直すという事です。非常に難しく大変な作業ではありますが「開花」が施されたプリザーブドフラワーはやはり見た目も華やかですし、同じ花材でもずっと大きく立派に見えると言います。